福岡高等裁判所 昭和24年(つ)1212号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(要旨)
本件起訴状には公訴事實として『被告人は昭和二四年一月一九日頃東彼杵郡江上村指方免山田秀夫方に於て大村市大和町はぜの實集荷人山口文夫に對し現金三万円の返還方を依賴せられ之を受領しながらその頃同郡千綿村等において自已の商用又は生活費に恣に費消橫領したり』と記載してあるだけで訴因が明瞭でない。犯罪地として千綿村等に於て費消の目的として商用又は生活費としている處からみて訴因が一個でないことだけは推察出來るかもしれないがその個數が一個以上の幾個であるのか又各訴因の内容如何の如きは全然不明である斯る場合第一審裁判所としては刑事訴訟法第三一二條第二項に則つて訴因の訂正を命じ訴因の明示をまつて然る後判决をなすべきであつて万一檢察官において右の命令に應じない場合において刑事訴訟法第三三八條第四號によつて公訴を棄却する途もある筈である。然るに原審は右の手續を履むことなく漫然審理を進め原判决を言渡したものであつて、右の手續違背は判决に影響を及ぼすこと勿論であるから、本論旨は結局理由あるに歸する。